実店舗再開に向けて

メルヘンハウス、
実店舗再開に向けて

「みて、きいて、よむ。そして、さわる。それが絵本。」

子どもの頃に良い絵本と出合うことは、とても素敵なことです。

絵本の内容はもちろんのこと、読んでもらった時の思い出は、大人になってもずっと残ります。特に大好きで何回も読んでもらった絵本などは、誰に?何処で?どのように読んでもらったか?など、細かいシチュエーションも鮮明に覚えているものです。

世の中の様々な「モノ」は消費されていきます。しかし、絵本という「モノ」は、何十年前の作品も世代を超えて、今も愛されている「モノ」が沢山あります。

「子どものたちに良い本を!」

これは、創業者であり私の父である三輪哲が、1973年のメルヘンハウス開店時に掲げた基本理念です。

これからも、この基本理念は変わりません。

そして、私がこれからやろうとしていることは、真新しいものでも、斬新なものでも、奇をてらったものでも、派手なパフォーマンスでもありません。

シンプルに絵本という「モノ」を、多くの子どもたちに届ける活動をすることです。

絵本を「モノ」と表現しているのは、紙の絵本のことです。 どれだけ世の中が進化しても、絵本は紙でないといけないものだと私は思います。

何故ならば、何度も繰り返し読んで自らの手で汚していった絵本は、唯一無二の宝物になるからです。日に焼けた表紙、黄ばんだページ、敗れた箇所をテープで貼っているページ、シミがついたページ、そのどれもが子どものかけがえのない「モノ」の証なのです。

そして、子どもに絵本を手渡すのは大人の役目です。ですから、大人が絵本に魅力を感じないと、子どもの手元に絵本は届きません。

私が大人である皆さんに出来ることは、絵本の「面白さ」や「楽しみ」、そして「奥深さ」をお伝えすることです。そのことで、絵本に対する「発見」、「気付き」、「再認識」をするキッカケとなり、子どもの手元に絵本が届くのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

私の目指すところは、メルヘンハウスの実店舗の再開です。今後、私は様々な形で絵本の普及活動を行いますが、それらは全て実店舗の再開へ向けての過程です。一番良い形での再開を目指す為、時間はかかるかも知れませんが、皆さんにその過程を見てもらったり、参加してもらうことにより、共感していただける仲間の輪を広げていきたいと思います。

そして、メルヘンハウスの実店舗の再開が出来たあかつきには、子どもたちに絵本という「モノ」を丁寧に手渡していきます。

メルヘンハウス

1973年、日本で初めての「子どもの本専門店」として名古屋にオープン。
創業者である三輪哲が、メルヘンハウスの基本理念を「子どもたちに良い本を!」と掲げ、開業の当時より、雑誌や漫画、テレビ番組の絵本や名作のダイジェストなどは置かず、選び抜かれた児童書のみを扱う。
2018年3月、多くの方々に惜しまれながら45年の歴史に幕を閉じる。

中日新聞に掲載された「メルヘンハウスの45年」

三輪丈太郎(ミワ・ジョウタロウ)

1975年名古屋生まれ。絵本に囲まれて幼少時を過ごす。
その後、自由気ままにミュージシャンや様々な職歴を経て、2014年メルヘンハウスに2代目の予定で入社。
子どもたちに絵本を手渡すことは勿論のこと、絵本に関するイベントの企画運営、講演会、ワークショップなどの活動を行う。
2018年3月、メルヘンハウスは45年の歴史に幕を閉じる。
しかし、メルヘンハウスの基本理念である「子どもたちに良い本を!」と言う灯火は消えることなく、現在はネクストステージとして、講演会などの活動などを行いながら店舗再開への道を歩んでいる。
実生活では3歳の息子の父であり、毎晩何冊もの絵本を読む日々を送っている。